グランツーリスモ2でのチート車(ハイブリッド)の生成



GT2、執筆時点で既に18年弱前のゲームと余裕でレトロゲー入りのゲームですが、2017年に入ってもなお、「Hybrid」と呼ばれる一種のチートによってニッチな需要があります(普通にプレイしても勿論とても楽しいですが)。

このハイブリッド、環境にやさしい車を指しているのではなく、改造コードによって「車体と中のパーツが別々の車」という意味での「ハイブリッド」なのです。更に、単にパーツを別の車のものにするだけではなく、普通では実現できないようなパーツの組み合わせを設定してやることで、通常では有り得ないとんでもない速度をぶっ放すマシンを生成することも出来ます(これを行うためには、PS1のエミュレータ(ePSXe)が必要です)。

以上のような改造に必要な情報は、以下のリンクのサイトが、非常に詳細な解析データを掲載してくださっているため、こちらだけでもかなり役に立ちます。

http://pupik-gt2.tripod.com/hybrids/basecodes.htm

こちらのリンク先には、「ガレージの1番上にある車の各パーツ・ボディ・名前・チューニングの情報」が格納されたアドレスの一覧を掲載してくれています。

GT2では(と言うかGT2に限らないかも知れませんが)、例えばガレージの1番上にR34を置いていたとすれば、「ガレージの1番上に置かれた車の情報」として、パーツ・ボディ・名前・チューニングの情報が全てR34のものになるように、R34の各データを指定してくれます(当たり前ですね)。しかし、例えばガレージの1番上の車両のエンジンを示している部分をエスクードのエンジンを指すように書き換えてしまえば、その一番上のR34はエスクードのエンジンを搭載していることになり、必然的にパワーが上がります。これが「ハイブリッド」と呼ばれる詳しい所以です。

さて、その各パーツについての各車を指すデータ、外国版に限れば先のサイトの別のページである以下のリンク先に掲載されています。

http://pupik-gt2.tripod.com/hybrids/all-parts.htm

しかし、こちらのデータは日本版ではその限りではないようで、例えばエスクードのエンジンを指すコードはリンク先では「0x0263」となっていますが、日本版では「0x025E」がエスクードのエンジンコードです。このように、日本版においてはどうもズレが有るようなので、日本版でハイブリッドを作りたいとなった場合は、

  1. 付け替えたいパーツを持つ車両を予め入手しガレージの一番上に置く
  2. Hexエディタでそのパーツのアドレスに飛び、データ値を見る
  3. ハイブリッド化したい車をガレージの1番上に置き、チートコードとして先程手に入れたパーツコードによって書き換えを行う
という流れを踏む必要があります。
この作業を踏む上で、非常に参考になったのは、以下の動画でした。



こちらの動画では英語で話されていますが、この手順を踏めばパーツコードのサーチが出来ます。
文面として書き下せば、次のようにやっていきます:
  1. こちらからPSX Emulation Cheaterをダウンロードします
    http://pec.duttke.de/download.php
     
  2. DLしたら、インストールを行います。この時、インストール先としてePSXeのフォルダ内にある「plugins」フォルダを設定します(インストール中にもその旨を言われますが)
     
  3. インストールしたら、ePSXeを開いてみます。すると、[Config]->[Video]を開けば、PSX Emulation Cheaterがセットされているはずです。[Configure]を選択し、設定に入ります。
     
  4. いきなりですが、ここでHexエディタをダウンロードします。
    http://www.chmaas.handshake.de/delphi/freeware/xvi32/xvi32.htm
    ご自分のお気に入りのHexエディタがあるのでしたら適宜そちらに応用すれば同様のことが可能であると思いますが、ここではこちらのリンクのHexエディタ「XVI32」を使います。
     
  5. DLしたら、好きな場所に展開し、開いていたConfigureのHex-Editorタブから展開したXVI32.exeの場所を指定します。

     
  6. 付け替えるためのパーツのコードを知りたい車をSTARTボタンでガレージの一番上に移動します(例:R34のエンジンをGT90のものにしたいので、GT90のエンジンのコードが知りたい)

     
  7. Ctrl+Jを押し、先程関連付けたHexエディタを開きます。その後、Ctrl+Gを押し、「Go to」の枠の中にある「Hexadecimal」にチェックがされているのを確認します。先程も載せた以下のリンク

    http://pupik-gt2.tripod.com/hybrids/basecodes.htm

    から、付け替えたいパーツのデータが入ったアドレスを持ってきます。この時、「Japanese」の列のものを見るようにして下さい。例えば、エンジンのコードは「801CD9CC」です。
     
  8. 持ってきたアドレスの頭の「80」を抜いたものを、文字列ウィンドウに入力します。

     
  9. すると、パーツ(ここではエンジン)のデータが入ったアドレスにジャンプします。ここで注意せねばならないのは、パーツデータは合計16ビットなのですが、Hexエディタで言う1マスに対して8ビットまでしか保存できません。そこで、2マスに分けて保持しているのですが、これ、逆順に格納されています。つまり、例えば次の画像

    では、そのまま読めば「3702」(青色でハイライトされている部分から2マスがパーツのコードです)になるのですが、そうではなく、マスを逆順に読んで「0273」としなければなりません。何が言いたいのかというと、パーツを書き換えるチートコード(ここではエンジンとする)として

    801CD9CC xxxx

    のxxxx部分に、Hexエディタで表示されている通りの順序で3702を入れてはならず、マスを逆順に読んで0273としなければならないのです。

    あとはこれに注意しながらパーツを付け替える改造コードを生成し、ハイブリッド化したい車をガレージの一番上に置き、その改造コードをePSXeのチート実行機能にて実行して書き換えてやるだけです。

さて、実際にハイブリッド化を行う上で、知っておいたことの良い事が幾つかあります。
  • パーツ換装を重ねることで、通常では有り得ない馬力を出せる。例えば、エスクードのエンジンにR34のタービンキットステージ3やエンジンバランスチューン(一例)を施せば、体感では乗算的に馬力が跳ね上がる。
     
  • 5速ギアの車に6速ギアの車のエンジンを積んだりすると、6速に入った途端一切の加速が不能になり停止する事象に見舞われる。その場合は、「Drivetrain」パーツをそのエンジンを元々持つ車のものにすれば良い。
     
  • 排気量アップ(Displacement)として「0E0F」を指定してやると、大体とんでもない馬力に跳ね上がる。このコードがどの車の排気量アップを指しているのかは不明(そもそもDisplacementが排気量アップを意味しているのかも、筆者は詳しくないので不明)
     
  • 何回も出しているリンクのアドレス表の内、少なくとも1st Gearから下は「そのパーツのチューニングパラメータ」を保持するアドレスである。つまり、1stアドレスならばガレージの一番上の車両の1速目のギア比を格納している。ここをいじれば、通常ありえないギア比や、とんでもなダウンフォースをかけることが出来る。
     
  • ハイブリッド化した後にレース準備画面に入って「Setting」を選択してしまうと、そのレース準備画面からExitしないと全く加速できなくなる。Settingした場合は、一度Exitでレースを棄権すれば良い(マシンテストでも同様)。たまにSettingを選んだ方が速くなるパターンがあるが、規則性は不明。
ここまで来れば、自分の好きなパーツをかき集めて「ハイブリッド」を作り上げられると思います。なお、車体のテクスチャと名前だけを変えたいという場合には、例のリンク先のアドレス表で「Body code」と「Car code」の部分のアドレスを見つけ、パーツのときと同じようにサーチすれば書き換えられます。

参考までに、自分の組んだコードも載せておきます。
 
801CD9CC 01FD
801cd9ca 01FD
801cd9ce 025E
801cda12 FFFF
801cd9e8 0155
801cd9d0 0870
801cd9d2 086A
801cd9c4 0460
801cda06 02ee
801cda08 01f4
801cda0c 0960

801cd9f2 01f4
801cd9e0 01f4
801cd9de 01f4
801cd9e4 01f4

空行はいりませんが、大体一番上の塊がエンジン本体と馬力に関わらないパーツ(とダウンフォース設定)、真ん中がギア比、下が馬力に影響するパーツのコードになっています。

以上のコードをエリーゼGT-1に適用してテストドライブした動画を載せておきます。GT2ではメータでの速度を16ビットで扱っているため、655.35km/hを上回ると表示だけ0に戻ってしまうようです。


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